ソフトパワーで活性化 沖縄懇話会パネル討論会

琉球新報

本土と沖縄の経済人でつくる沖縄懇話会は20日、那覇市の沖縄ハーバービューホテルで「生かせ! 沖縄の魅力・ソフトパワー」をテーマに、講演やパネル討論を行った。

自然素材を生かした商品作りや、伝統文化を現代風にアレンジした劇による人材育成の取り組みを挙げ「沖縄のソフトパワーを生かすには住んでいる人の意志が重要」「離島を元気にすることが、沖縄や日本、世界を元気にする」と指摘。

沖縄が本来持つ素材や価値観、魅力を再発見し、プロデュースすることが産業や地域の活性化につながるとの提起があった。

化粧落とし「ちゅらら」を製造・販売するバイオ21の相原正俊社長は「マチグヮーのおじい、おばあから学び、新しいスタイルの化粧品が生まれた」と説明。

肉を軟らかくするパパイアや防腐効果のある月桃などを生かした同社の商品作りは、先人の知恵を受け継いだ取り組みだと語った。

平田大一勝連町きむたかホール館長は、与勝半島地域の中高校生が出演する組踊劇「肝高の阿麻和利」を紹介。

「地域に誇りを持つ子供たちが育てば地域に帰ってくる。幼少の感動体験が沖縄への思いにつながる」などと述べ、世界に発信するには、まず沖縄に立ち返るべきだと強調した。

宮内義彦オリックス会長は「沖縄は日本とアジアを結び付ける強い接着剤になる」と評価する一方で、沖縄は独自性を生かす素地はあるが、ソフトパワーを生かす意志がこれまで公共事業などの手厚い保護でそがれてしまったと指摘。「沖縄の人が意志を持ってソフトパワーを地域政策として統合していけば圧倒的な力になる」と助言した。

県産商品のプロデュースを手掛ける白仁昇フロンティアPR社長は離島の過疎化を指摘。

「ソフトパワーは離島パワー。人体でも末端が元気でなければ健康ではない。

沖縄の末端であり、最先端である離島を元気にしてほしい」と強調した。

金城幸隆オキネシア社長は世界旅行が沖縄文化の再確認につながった経験を挙げ、「物づくりの中で、その土地ならではの文化やアイデンティティーを落とし込むことがソフトパワーにつながる」と述べた。

フロアから大橋洋治全日空社長が「沖縄の素材を生かした商品を世界へ輸出してほしい」と提案。

新町敏行日本航空社長は「沖縄の文化、経済、地域の魅力づくりに今後も貢献したい」と述べ、呉屋守将金秀本社会長はスローフードやスローライフなど、沖縄が守るべき価値の点検が必要と語った。

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おきなわ離島応援団

おきなわ離島応援団は、主に小中学校卒業後生まれ島を旅立つ島(全25島)の子供たちへの様々な支援活動及び沖縄県内指定離島39島の子供たちと、日本各地及び世界各国の子供たちとの交流促進事業などを通し、沖縄の離島と世界を結ぶ架け橋を目指します。